遺言は,被相続人の最後の意思表示について,相続の開始後(被相続人の死後)に効力を生じさせる制度です。
遺言は,法律で定められている一定の事項に限って,することができます(遺言事項)。
遺言事項の多くは民法で定められています。
特別法にも,遺言事項を定めているものがあります。
その内容は,相続財産に関するものから身分上のものまで,様々です。
どのような内容の遺言を行うかは,原則として,遺言者の自由です。
遺言者が自分の財産をどのように処分するかは,遺言者の自由に委ねられるからです。
相続が開始するまでならば,遺言を撤回することも遺言者の自由です。
ただし,相続人の遺留分が侵害される場合には,遺留分を侵害する限度で,遺言者の財産処分の自由が制限されます。
遺言を行うに当たっては,民法の定める一定の方式を守らなければならず,方式を欠く遺言は無効とされてしまいます。
遺言を撤回するに当たっても,一定の方式を守る必要があります。
遺言を行うに際して,遺言者が判断能力を有していなかったならば,遺言は有効なものとして扱われません。
このように,有効な遺言を行う能力のことを遺言能力といいます。
年少者も遺言能力がないものとされますが,満15歳に達すれば遺言能力があるものと扱われます。