現在、先送りされながらも国会で継続審議中であるものの一つに相続税法の改正案があります。
1年程前、その可決成立が不透明ながら、多くの税務関係者において関心を持って注視されていたものの、その後の東日本大震災などの影響も加わって、ますます先行き不明な状況のこの改正案。
法律案が成立すると、簡単な話相続税を納める人、そしてその全体としての額が増えます。
相続税は国税ですが、国の逼迫した懐事情を少しでも改善すべく、また、震災の復興財源としても、消費税をはじめ増税はやむを得ないというのが多くの方の考えるところであろうと思います。
もともと相続税は、言わば富裕層のための税金制度であって、相続があったとしてもほとんどが非課税となって来ました。
それは、高額な「控除」のためです。
亡くなった方に配偶者や子どもが数人いて相続の対象となっていれば、最低6~7千万円は課税対象から引かれる仕組みで、つまりはほとんどがそれ以下であったというのです。
実際、相続件数に対する課税件数割合は近年では約4パーセント、ごく一部の人が納めるに過ぎないのが現状です。
改正相続税法では、これら控除額が大きく圧縮されています。
また、課税される税率も部分的にですが増え、それによって結果として増税となる見通しです。