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遺留分侵害額請求権と遺留分減殺請求権の違いはなんですか?

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2020年10月29日

1 平成31年の法改正

遺留分とは,亡くなった方が遺言による贈与や生前の贈与をしていたとしても,一部の相続人にその財産に対して一定の割合で認められた権利のことをいいます。

遺留分に基づく請求権については,平成31年7月の改正前は,「遺留分減殺請求権」と呼ばれていましたが,改正後には,「遺留分侵害額請求権」と呼ばれるようになりました。

名称の違いがあるのは,この両者の間で,どの範囲で請求権が認められるかの要件や,請求権を行使した場合の効果が異なるためです。

なお,改正の前後のいずれの請求権となるのかは,相続の開始日,すなわち被相続人の亡くなった日が改正の前後のいずれなのかによって決まります。

2 対象となる生前贈与の違い

改正前の遺留分減殺請求権においては,生前の贈与について,相当長期間前のものまで遺留分減殺の対象となるとされてきました。

特に,相続人に対する生前贈与については,遺産分割における特別受益の扱いとの均衡の観点などから,期間の制限なく,その対象となるとの考えも示されていたため,これをめぐって紛争が長期化することや,亡くなった方が生前贈与をしておいた意味がなくなるなどの問題が生じていました。

改正後の遺留分侵害額請求権においては,相続人に対する生前贈与については,原則として亡くなる10年前までのものに限って対象とされることになりました。

3 財産に対する法的効果の違い

法改正前の遺留分減殺請求権では,たとえば不動産については,遺留分にしたがって,遺留分を請求した者と遺留分を請求された者との共有の状態が生じるとされていました。

しかし,不動産が共有の状態となったとしても,紛争の当事者どうしが不動産を適切に管理することは難しいでしょうし,不動産を処分しようにもその方針が一致しないこともしばしばありました。

たとえば,岐阜の不動産が遺産に含まれており,相続人の一人が居住していた場合,岐阜から離れた地域に住んでいる他の相続人が,遺留分の権利があり,遺留分減殺請求権を行使すれば,岐阜にあるその不動産は共有状態となるものの,双方の相続人にとってこれが望ましい状態であるとはいえないでしょう。

法改正後の遺留分侵害額請求権においては,たとえば不動産についても共有の状態になるのではなく,遺留分を請求された側は,遺留分権利者の遺留分についての権利を侵害した額についての金銭を支払う義務を負うことになりました。

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